2019年36冊目。

世間にはデマやフェイクニュースが蔓延して、真実が見えなくなっていることが多い。科学的に考えれば真実が見えてくる。
これが、武田氏の主張の中核だと思う。

この本は地球温暖化のみにと留まらず、少子高齢化の問題、医療制度の問題などを、武田流の科学で広く浅く解説している本。
世間で優勢な「環境についての主張」は「地球温暖化は進行していて、放置しておくと人類に深刻な影響が生じる。」「だから日本でも環境問題を悪化させることにないような活動をするべきだ。」ということだが、武田流科学的思考では、「そのようなこと(地球温暖化)は起きていないので、莫大なお金を使って対策する必要はない。」のである。

主張の基礎にある理論は正しいものであり、そこから考察が展開していくので「なるほど」と思いがちであるが、主張の中には「?」と思う論理展開や偏向がある点がみられるので、全ての主張を鵜呑みにするのは危険である。

ただし、それなら世間の主張が正しいのかと言えば、こにも「?」と思うものや偏向している点がみられるので、こちらもまた鵜呑みにするのは危険である。

物事には諸説あることを念頭に、自分はどの立場を支持するのかを考えることは、デマやフェイクニュースが溢れる現代で道に迷わないために重要なことだと感じた。