2019年31冊目。
現代の偉大な思想家ケン・ウィルバーの「万物の理論」の新訳本。ケン・ウィルバーの思想を研究してきた門林氏の訳出が素晴らしい。メタ思想本の日本語版は難解になることがあり、先の「万物の理論」もその内で読みにくかったが、これは実に読みやすく分かりやすい。

難解な本を読み解く力がある方以外全員にお薦めの一冊。

3章までが「インテグラル理論」の解説で4章以降は宗教・科学・政治・医療。・ビジネスなど様々な分野への応用で構成されている。
理論編で何度も膝を打つ。
「グリーンの多元主義が、それ以前の段階を否定してしまう。」・・・マスコミに氾濫している言説ですね。
「グリーンの多元主義の中からしか、統合的な意識(ホリスティックな第二層の意識)は出現しない。」・・・レッドやオレンジに痛めつけられていないので、これらを否定する感覚を持たないグリーンの層(若者達)からティールへの発達が起きてきていますね。
などなどなど。

①主観的 ②客観的 ③間主観的 ④間客観的、これらの4つの象限を統合した意識の発達が、これからの人類に必要とされるものである。
なるほど。しかしこれ、コビーの「7つの習慣」で推奨される「刃を研ぐ」4つの側面、すなわち「知性」「精神」「社会・関係」「肉体」に似ています。「インテグラル理論」では「知性・肉体」「精神」「関係」「社会」になっているのです。

様々な人と共に探求してみたい内容でした。