2019年16冊目。

帯にある養老孟司氏のコメントの通りの本。大変面白かった。

人工知能は第一人称的知性、自分自身にとっての生活世界・知識を構築する。知覚されたデータを集め、繋ぎ合わせ、自分自身が活用できる世界として世界を認識する。自然知能は、世界に対する正しい認識という意味で客観的知識を指向し、自分は其れを所持していると信じている。主観的な経験を無化したもの。
では天然知能は?知覚されないものに対しても、その存在を許容する知性。

出来事や出会ったことに対して、自分の持つ尺度で判断を下すのが人工知能、社会が構成したもの(規範や基準や常識など)で判断を下すのが自然知能。天然知能は知覚されたもの以外に「なにかあるのでは?」「なんか変な感じ、よく分からないけど」という状態で判断を保留し続けること。若者言葉の「おかしいんでね?」「やばくね?」「何かあるんでね?」のような状態で認識すること。こんな風に読みました・・・、知らんけど。

実在論は人工知能、構成主義は自然知能、そしてマルクス・ガブリエルなどの新実在論はこの天然知能の入口なのでしょうか。とにもかくにも刺激的な本でした。