2019年15冊目。

平成の終わりに平成はどんな時代だったのかを総括してみたいと思って手にした本。読後の感想は「平成は、昭和の戦後に作り上げてきたものが壊れていった時代だった。」

その象徴は東日本大震災で先が曲がった東京タワーの姿だろう。あれを見たときはショックだった。福島第一原発も大津波ももちろんショックだったが、関西出身の私にとって、東京タワーは中学校の修学旅行で訪れた日本の経済成長のシンボルだったから、この姿を見たときに自分の内面にある誇りや自信といった類いのものが壊れたように感じたのだ。

共産主義が壊れ、バブル経済が壊れ、高度経済成長を支えた仕組みが壊れ、福祉国家としての制度が壊れ、安全神話が壊れ・・・・。
次の元号の時代には、壊れたものがよりよい形に変わるのか、ただ壊れたままになってしまうのか、あるいは更に酷い壊れ方をしていくのか、どうなるのだろうか。