2018年11月1日〜2日、新刊本「敵とのコラボレーション」のイベントで来日したアダム・カヘンのワークショップに参加しました。
2日は2時間の講演で、アダムがファシリテーターとして解決したメキシコの例を題材にして、敵とのコラボレーションの概要を聴きました。
3日は1日のワークショップで、敵とのコラボレーションのプロセスを体験を通じて学びました。
- 解決策を共創するには「プレゼンシング」という生成的会話をすること。(相手との境界が曖昧になるように話し、聴く)
- プレゼンシングに至るには、ダウンローディングの状態を、ディベート、ダイアログを経由して行く必要がある。
- 体験で、ディベート難しく、そのせいで安易な妥協時結論に至りやすいことに気づいた。
これまでのコラボレーションは強制・非強制によるコラボレーションがほとんどで、「この状況をなんとかしたい」と思えば思うほどに強制する気持ちが生まれてくるので、「敵とのコラボレーション=ストレッチ・コラボレーション」をするためには、次のことを分かっておく必要があるとのこと。
- ストレッチ・コラボレーションは、4つの選択肢の一つであること
- 残りの3つは「強制」「適応」「離脱(逃避)」であり、これらができないときの選択肢が「ストレッチ・コラボレーション」であること
- 「強制」「適応」「離脱」は長期的な解決にならないこと
つまり、長期的な解決を目指すならば、「ストレッチ・コラボレーション」が最適だと言うことです。
ストレッチ・コラボレーションでは3つのストレッチを行います。
- 対立とつながりを受容する・・・対立があることを意識して、それに取り組もうとする。
- 進むべき道の実践・・・誰かが提案した策をまずやってみてフィードバックをみる。
- ゲームに足を踏み入れる・・・問題に自分も加担している当事者として解決に加わる。
ワークショップ終盤でのアダムとの質疑応答で、参考になることがいくつか聴けました。
- 対立している人達を集めるために「今のやり方では不味いことを知っている人」に声をかける。
- 提案をやってみようということに絞って合意をとる。
- 解決を共創する段階では、ファシリテーターの役割に徹する。
世界で一流のファシリテータであるアダム・カヘンのBe(ありよう)に触れることもできたすばらしい2日間でした。