2017.8.22.

副題に「デジタル時代の顧客満足と収益の関係」とある。
ネットの発達と、デジタルネイティブな顧客の増加は、カスタマーサービスにおける顧客ロイヤルティ獲得に大きな変化を起こしている可能性がある。
そんな思いで手にしたのがこの本。会員制で大手企業に組織変革のための洞察と実行可能なソリューションを提供しているCEBのコンサルタントの共著。

始めに4つの質問が投げかけられる。

  1. サービスが顧客の期待を上回れば、当然ロイヤルティも飛躍的に向上する。
  2. 人は良い製品よりも良いサービス(おもてなし)について人に話したがる。
  3. サービス・インタラクションの顧客満足が次の購入判断につながる。
  4. ホームページのカスタマーサービスとコールセンターなどのサービスは独立しているべきである。

これらは、過去にはYESだったが、今はNOであり、この4点がYESの企業は重大な顧客ディスロイヤルティを起こしているとのこと。

デジタル時代、顧客が問題を抱えた際、その解決のためにどれ位の労力を必要としたかが満足度に大きく影響する。
顧客の年齢が若いほど、問題解決にWEBを使う傾向が高くなってる。WEBで解決策が見つからず、コールセンターに電話せざるを得なくなった時点で満足度が下がる。
従って、企業が投資すべきことは自社のWEBサイトのカスタマーサービスページが顧客の問題解決につながるようにすることである。

次に、コールセンターでの対応が不味いと、重大なディスロイヤルティにつながるので、担当者のレベルを上げておく必要がある。
それは、担当者のCQ(コントロール指数)を上げること、肯定的な言葉遣い(顧客の要望を否定しない話し方)をすることであり、そのためのコーチングである。

顧客努力が低い組織では、顧客の94%が製品を再購入し、88%が購入を増やし、1%が否定的な口コミを広げるという調査結果があるとのこと。

すこし予想はしていたが、ここまで明確な変化が起こっているとは思わなかった。
GAFAがシェアを伸ばしている理由の一つは、この点に違いない。