菊山博之が交流を深めた方々に時代の最先端から見つめていることについてインタビューします。
第1回目のお客様はNTT西日本電信電話株式会社 常勤監査役 香取一昭さん。
ホールシステム・アプローチについてお話を伺いました。

未来から学ぶためには シンクロニシティに気づくこと

香取
ホールシステム・アプローチが注目されているもう一つの背景は、現在は変化がものすごく激しいので、過去の経験からでは先のこと
を考えられない、過去の経験の中にヒントはない、という状況にあるということです。

菊山
そうですね、過去の経験を踏襲すると失敗するかもしれない。

香取
過去の業績を参考にして今後の行動を考えたのではうまくいかない。それよりも今、何が自分たちが本当にやりたいことなのか、どこに進みたいのか、ということを、内面に深く入りながら自分たちで探していく。ホールシステム・アプローチがやろうとしていることは、大抵ここです。方法はそれぞれ少しずつ違うけれども、どうしたいか、ということにフォーカスしている。そういう意味では、未来から学ぶためには、いわゆる何かを感じ取る力が必要かもしれませんねえ。感じ取る方法は色々あります。

菊山
人にはそういう能力があるのですね。例えば、今度の春は何色の服が流行るぞといった現象も、それに近いのかもしれないですよね。“なんとなく”例えば、車もそうですけど、なんとなく黒い車がいいなあ、と思い始める。

香取
いわゆる共時性ね、シンクロニシティ。

菊山
そうすると、黒い車がいいよねえ、と考えている人が実はたくさん同時にいて、それで、黒い車が流行る。そんなことってありますよね。

香取
そうですよねえ、その通りですね。

菊山
会社の中で、チームの中でこういう状態を創り出すことが、今は重要なのでしょう。

香取
一人で何かをしているのではないと思うのです。シンクロニシティは、これが起きていることに気づくことが重要です。みんなが無意識のうちに同時に相互啓発している段階みたいなものがあって、ある時期になると全員が同じことを考えていた、といった状況に気がつく、ということなんですよね。

菊山
そうですね。そのような状況になるようにマネジメントしていく。

香取
学習する組織の考え方についても、ある時期から、2、3年前位ですかね、ある時突然、色々なところでみんなが言い出した。それまでは、比較的この分野のオタッキーな(笑)人たちで考えたり発言したりして
いた。ところがある時期になって、同じ言葉を使う人たちが周りに忽然と現れることに気づいたことがある。2、3年前ですかね。

菊山
シンクロニシティが起きたのですね。
本日は、興味深いお話をたくさんお話しいただきましてありがとうございました。