「Everyday Bias」 第五章「誰がパワーを持っている?」読了。
本の内容についての理解が進むと、読むスピードがあがります。
きょうは、猛スピードでした。

人が持っているパワーと特権、持っていないパワーと特権が、それぞれの人生に影響を与えている。

パワーには、以下のような例がある。
強制できるパワー、報酬を与えることによるパワー、人間関係によるパワー、リソースを握ることによるパワー、思い込みや発揮された専門知識によるパワー、情報によるパワー、個性によるパワー。

これらのパワーを持つ人は、持たない人に「些細な不公平」を無意識で行いがちである。「些細な不公平」の例は、
・名前をしばしば呼び間違える(英語だと発音を間違える)
・行動を中断させられる
・目を合わせてくれない
・会話中に他のことをしている
・あるグループの人にだけ頻繁に話しかける  などなど。

支配層の人たちは、これらのパワーと特権を持つことになり、被支配層の人たちは、持てないことになる。
事態をさらに悪くするのは、パワーや特権を持っている人は、自分がそれらを持っていて、使っていることに無自覚であることである。

「あなたはこれまでの人生で、どんな特権を獲得してきたのか?」
「パワーや特権を持てる場所と持てない場所を分かっているか?」
「パワーや特権を持てないとき、どんなことを感じるのか?」

富があることは共感力の低さとだけではなく、非倫理的振る舞いの増加とも相関関係がある。
パワーのある立場にいる人は利己主義や共感力低下に、無意識に感染しやすくなりかねない。

我々は、それが明らかであろうがなかろうが、自分がパワーを持ちそうな場所や状況に対して、より意識を向ける必要があり、そうすることで自分の行動を穏やかにできるのである。

【感想】この章は、「アーノルド・ミンデルのプロセスワーク」にある、「関係性・ランク」とかなり共通しています。プロセスワークを少し学んだ身としては、理解しやすい章でした。
プロセスワークでは、ランクの高い人は、自分のランクが高いことに気づかないことが多く、また、そのランクの高さによりランクの低い人を無意識で傷つけている、といい、これはこの章の内容と共通ですが、ランクの低い人が高い人に対して反撃に出ることがある、とも言っていて、この点はこの章では触れられていませんでした。

今日はここまででよかろうかい。

第五章は「魚にとっての水のように」