雨なので順調に「第3章 様々なバイアスの面」読了。
典型的な無意識のバイアスを10の面に分類して解説しています。
 
1.選択的注意(Selective attention)自分の焦点にとらわれて物事を選択的に見てしまうこと。妊娠したら妊婦が目につき、ほしい車があったらその車が走っているのをよく見るようになる。
2.分析のバイアス(Diagnosis bias)自分の元々の考えで人やあアイデアや物事をラベル付けする傾向。人に対する気持ちは、初対面の際に、相手がどんな現れ方をしたのかで決まる。
3.パターン認識(Pattern recognition)事前の経験や習慣に基づいて情報を選別したり確認する傾向。Edward Adelson のチェッカーボードでBがAより明るく見える例。
4.価値属性(Value attribution)はじめに認識した価値が人や物事に染みついてしまう傾向。世界的なバイオリニストがTシャツに野球帽姿で、ラッシュアワーの駅で素晴らしい音楽を奏でていても、(教養のある)通勤客は足を止めなかった例。
5.確証バイアス(Confirmation bias)確立した信念や考えによって情報を集めたり環境に対応しようとする傾向。TVニュースの特集を見て、保守は保守よりに、革新は革新よりに情報を解釈する。
6.プライミング効果(Priming effect)事前の経験や交流から作った期待に従って反応する傾向。ミルクと10回言わせ、10回書かせ、さらに10回言わせてから、「牛は何を飲む?」と尋ねると、かなりの人が(約75%)「ミルク」と答える。
7.自信のバイアス(Confidence bias)自信があるとのコミットメントを持つこと。大学教授の94%が、自分は教授として「平均以上」だと評価している。
8.内面のバイアス(internalized bias)自分の属するグループについて否定的なイメージを持ってしまう可能性があると、不安や懸念を感じてしまうこと。少数のグループに属する人たちは、同じ話を聞いても多数派の人たちとは違う話として聞いてしまい不安になる。子供ができたという話を聞いて、子供に恵まれない人が傷つく。
9.焦点化傾向(Focalism)一つの特徴や部分的な情報にアンカーづけられて決断する傾向。エリート校を卒業したという情報だけで、その人は能力が高いと思ってしまう。
10。グループ思考(Group think)集団で話し合うときに不合理な決定を下してしまうこと。米国大統領、ニクソンのウオーターゲート事件、ブッシュのイラク戦争など。
 
バイアスについて理解することは助けになるけれど、気にしすぎて立ち止まってしまっては意味がない。
最も重要なことは、我々はこれらのバイアスの大渦の中で毎日を生きているのだと理解することである。
 
長い章でした。
 
今日はここらで良かろうかい。
ビール飲も。
 
第4章は「人生、死、そして雨の夜の無意識のバイオス」